10.5インチ向けのSmart Keyboardは9.7インチよりもやや大きくなっていますが、その差は少ないです。Macのキーボードのキーピッチ（デスクトップとノートPCで同じ）と比べると、やや小さめですが、快適にタッチタイピングができるレベルです。ただ、日本語入力において実用性がどのくらいあるかというと、用途によるとしか言いようがありません。現行のiOSの仕様では、外付けキーボードからは、OSに標準搭載の日本語入力システムしか使えないのです。推測変換をオフにできないので、文字を誤変換したままにしてしまう場面が多く、文章の正確さが求められる業務での利用はおすすめできません。むしろ執筆作業が仕事であると、使ってはいけないレベルだと感じる人も少なくないでしょう。もちろん、一語一句、画面を見て、精査しながらテキストを入力していれば誤入力は防げるのですが、逐一確認しながらゆっくり入力するのであれば、スクリーンキーボードやApple Pencilと手書き入力アプリを利用する場合と大差がないのです。タッチタイピングできるキーボードは、手元や画面をあまり見ないで高速入力できることにメリットがあるはずで、そのメリットを完全に発揮できないSmart Keyboardは、長文を作成する用途には向いていないという印象です。ちなみに10.5インチのSmart Keyboardの重さは実測で約245g、本体と合わせると約720gでした。ノートパソコン（軽量なモデルで1kg前後）に迫る重さなので、片手で持って使いたいときは外した方が良さそうだ。カバーなしで使うなら、保護フィルムを貼るのもありでしょう。
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